国の重要文化財「切幡寺大塔」

四国八十八箇所霊場の第十番札所として知られる切幡寺(きりはたじ)は、、弘法大師(空海)によって開かれたと伝えられる真言宗の寺院で、古くから多くの巡礼者が訪れる、由緒ある霊場です。

切幡寺の名称は、「機織りの娘が千手観音の化身だった」という伝説に由来します。観音に帰依した娘が、裁ちバサミと反物を持つ姿で祀られており、「はたきり観音」として信仰されています。この観音像は、女性の守り神としても親しまれています。

境内の見どころのひとつが「切幡寺大塔」です。江戸時代中期に建立されたこの三重塔は、国の重要文化財に指定されており、歴史的・建築的にも高い価値を持っています。荘厳な佇まいは訪れる人々に深い印象を与えます。

本堂までの石段は333段あり、ゆるやかな上り坂の途中には十三仏や多くの石仏が点在しています。体力に自信がない方は、山門付近まで車でアクセスすることも可能です。

また、境内からは阿波市の街並みや吉野川の流れが一望でき、天気が良ければ遠くまで見渡せる絶景スポットにもなっています。