「秀吉の一夜城」として知られる益富城

益富城跡は、戦国時代の歴史を今に伝える史跡です。標高約190mの城山山頂に築かれた山城で、現在は自然公園として整備されており、歴史探訪と森林浴の両方を楽しむことができます。

築城年代は定かではありませんが、永享年間(1429年~1441年)に大内盛見によって築かれたと言われています。その後、大内氏と大友氏の間で激しい争奪戦が繰り広げられ、毛利元就が領有した時期もありました。戦国時代末期には、秋月氏の支城の一つとなり、豊臣秀吉の九州征伐の際に取り壊された城跡に、張りぼての城壁を一夜のうちに完成させ秋月氏を降参させたという「一夜城伝説」が伝えられています。

益富城は、交通の要衝に位置していたため、戦略的に重要な拠点でした。城跡には、当時の面影を残す石垣や堀、曲輪などの遺構を見ることができます。特に、主郭の頂上部分には石垣跡や枡形虎口跡など、往時の様子を偲ばせる遺構が残っています。また、城跡からは嘉麻市街を一望できる絶景が広がっており、歴史と自然の両方を満喫できます。