日本最古の学校

足利学校は、平安時代初期に創設されたと伝えられ、日本最古の学校として知られています。鎌倉時代から戦国時代にかけては、関東地方の最高学府として栄え、多くの学者が輩出されました。
静寂な佇まいの校舎は、江戸時代の姿を復元したもので、木造建築の重厚な雰囲気と、書物に囲まれた空間が、当時の学徒たちが学んでいた様子を今に伝えています。孔子を祀る孔子廟や、貴重な古文書が収蔵されている図書館など、見どころも満載です。
近年では、VR体験やデジタルアーカイブなど、最新の技術を活用した展示も導入され、より深く足利学校の歴史や文化に触れることができます。また、学校周辺には、歴史散策路やカフェなども整備され、訪れる人を飽きさせません。
足利学校は、単なる史跡ではありません。今もなお、学問の重要性を後世に伝える場所として、多くの人々に愛されています。孔子も綴じ紐が3回ちぎれるほど、易を読み込んだという伝説があるように、足利学校では、易に関する実践的な教育を行い、卒業生は占術のできる軍師として戦国武将に仕える例も少なくなかったそうです。
キリスト教の宣教師として有名なフランシスコ・ザビエルは足利学校を「日本国中最も大にして最も有名な坂東のアカデミー」と書簡に記し、そのことで足利学校の存在は海外にまで知れ渡りました。