太古の自然が織りなす白い岩礁の絶景

東シナ海に面した海岸にあるムシロ瀬は、波の浸食によって作られた広大な白い岩礁地帯です。まるで畳やムシロ(敷物)を敷き詰めたかのように見えることからその名が付けられ、約2億年前の海底火山活動によってできたと推測される独特の地形が広がっています。
ムシロ瀬は、その地質学的価値と、荒々しくも美しい自然の景観が最大の魅力です。ムシロ瀬を特徴づけるのは、ごつごつとした白い岩肌が広がる独特の景観です。これは、海底火山から噴出したマグマが急激に冷え固まってできた火成岩(流紋岩)が、長い年月をかけて波に削られ、平らな一枚岩のように露出したものです。地球の歴史を感じさせる壮大な景色は、まさに自然のアートと言えるでしょう。
干潮時には特に、まるで大きなムシロを何枚も広げたかのように見える奇妙な模様が地面に現れます。これは、規則正しい割れ目(節理)が波によって侵食された結果で、訪れる人々を魅了します。東シナ海に面しているため、波が岩礁に打ち寄せる光景は迫力満点です。特に、天候が荒れた日には、白波が砕け散るダイナミックな海の表情を間近で体感できます。西側に開けた地形のため、夕暮れ時には水平線に沈む夕日が岩礁をオレンジ色に染め上げ、幻想的な風景を作り出します。刻々と表情を変える空と海のコントラストは、忘れられない思い出となるでしょう。