自然に囲まれた岩窟の観音堂

岩屋観音堂(いわやかんのんどう)は、岐阜県坂祝町勝山に位置する歴史ある寺院で、木曽川の急流を見下ろす崖の上に建てられています。この観音堂は、推古天皇の時代に創建されたと伝えられ、江戸時代初期には中山道の旅人たちの信仰を集めていました。
本堂は、桧皮葺きの入母屋造りで、正面屋根には千鳥破風、さらに唐破風の向拝を備えた精緻な建築様式が特徴です。建築年代は19世紀初めと推定され、坂祝町の文化財に指定されています。
洞窟内には、聖観音菩薩、馬頭観音、役行者、八大龍王などの石仏が安置されており、地域の人々や旅人たちの安全と平穏を祈願する場として親しまれてきました。また、観音堂は犬山市栗栖にある大泉寺の奥の院としても位置づけられています。
毎年7月18日には岩屋観音祭が行われ、地域の伝統行事として多くの人々に親しまれています。