
阿須賀神社は、熊野川の河口付近、神秘的な山容の蓬莱山の麓に鎮座する古社です。その歴史は非常に古く、社伝によれば紀元前423年、孝昭天皇の時代に創建されたと伝えられています。この神社は、秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて東方に渡来した徐福とも深い関わりがあります。徐福一行が上陸した地が、まさに阿須賀神社の建立地であると伝えられているのです。
悠久の歴史を物語るように、境内からは弥生時代の竪穴式住居跡が出土しており、古代からの人々の営みが感じられます。2016年には、その歴史的価値が認められ、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として追加登録されました。
境内には、徐福を祀る「徐福の宮」があり、彼が農耕、捕鯨、造船、製紙などの技術を伝えたとされています。また、発掘調査で発見された「宮井戸遺跡」では、梵字が刻まれた岩山が祀られており、古代の祭祀の様子を垣間見ることができます。