三河三観音のひとつ

田峰観音(だみねかんのん)は、設楽町にある谷高山高勝寺の通称で、三河地方における観音信仰の拠点のひとつです。その起源は1470年、田峯城主・菅沼定信が城の守護を祈願して建立したとされており、長い歴史の中で地域の人々に親しまれてきました。
本尊として祀られているのは、慶雲2年(705年)に勧請されたと伝わる「松芽観世音菩薩」と、京都から迎えられた「十一面観世音菩薩」です。信仰の対象としてだけでなく、歴史的・文化的にも価値の高い仏像です。
境内には文明13年(1481年)に鋳造された梵鐘が現存し、設楽町の有形民俗文化財に指定されています。また、毎年2月に行われる「田峰観音大祭」では、国の重要無形民俗文化財である「田峯田楽」や奉納歌舞伎が披露され、地域の伝統行事として多くの参拝者を集めています。