国指定重要文化財に指定された昇開式可動橋

筑後川は、福岡県・大分県・佐賀県を流れる九州最大級の一級河川で、「筑紫次郎(つくしじろう)」の愛称でも親しまれています。流域には農業や工業が発展し、地域経済を支える重要な水資源であると同時に、豊かな自然と美しい景観も魅力のひとつです。大川市はこの筑後川の河口に位置し、川とともに発展してきた町として知られています。
この筑後川に架かる「筑後川昇開橋(しょうかいきょう)」は、昭和10年(1935年)に完成した全長約500メートルの可動橋です。もともとは国鉄佐賀線の鉄道橋として使用されており、船舶の通行時に中央部分が垂直に持ち上がる構造が特徴です。1990年に鉄道としての役割を終えた後も、橋の中央部が上下する「昇開機構」が保存され、現在は歩行者専用橋として開放されています。
昇開橋は、全国的にも珍しい可動橋として1996年に国の重要文化財に指定されました。現在でも実際に橋の昇降が見られるイベントがあり、多くの観光客に親しまれています。夕暮れ時には、川面に映える赤い鉄橋と夕日が織りなす光景が大変美しく、撮影スポットとしても人気です。