地域の総氏神としてあがめられていた神社

坂祝神社(さかほぎじんじゃ)は、坂祝町の酒倉に鎮座する古社で、延喜式神名帳に記載された式内社の一つです。その歴史は平安時代以前にさかのぼるとされ、坂祝町の地名の由来ともなっています。

主祭神は正勝山津見神(まさかやまつみのかみ)で、古事記ではイザナギが火の神カグツチを斬った際に生まれた山の神の一柱とされています 。境内には白山神社、津島神社、御鍬神社、稲荷神社、猿田彦神社などの摂末社があり、地域の多様な信仰を今に伝えています 。

坂祝神社は、美濃加茂市の縣主神社および加茂神社とともに「三加茂神社」と称され、地域の総氏神として崇敬されてきました 。また、1062年の前九年の役の際には、源義家の弟・加茂次郎義綱が戦勝祈願のために参拝し、帰路に社殿を造営したと伝えられています 。

現在の社殿は1914年(大正3年)に再建されたもので、神明造の様式を持ち、静かな佇まいの中に歴史の重みを感じさせます 。毎年4月の第1土曜日と日曜日には例祭が行われ、地域の人々が集い、伝統行事が催されます。