城下町の面影を残す歴史的街並み

小浜西組(おばまにしぐみ)は、福井県小浜市の旧城下町エリアに位置し、江戸時代から昭和初期にかけての町家や商家が数多く残る歴史的な街並みです。2008年には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
このエリアは、小浜藩の城下町として発展した歴史を持ち、武家地や町人地の区画が明確に残る点が大きな特徴です。西組地区では特に町人地がよく保存されており、格子戸や虫籠窓(むしこまど)を備えた町家建築、白壁の土蔵、旧茶屋などが軒を連ね、往時の風情を現在に伝えています。
通りを歩くと、伝統的な建物の中で今も暮らしが営まれていることがわかり、生活と歴史が共存している様子を感じることができます。また、地区内には資料館や案内板も整備されており、街並みの成り立ちや建物の特徴について学びながら散策を楽しめます。
小浜市はかつて「海のある奈良」と称されるほど多くの寺社や歴史資源を持ち、京都との交流も深かったことから、建築や町づくりにその影響が色濃く表れています。西組の町並みは、そうした小浜の歴史と文化を身近に感じられる貴重なエリアです。
静かで落ち着いた雰囲気の中、タイムスリップしたような感覚で歴史探訪ができる、小浜観光の定番スポットのひとつです。