鹿児島県屈指の歴史を誇る神社

鹿児島神宮は、南九州を代表する古社のひとつで、古くは「大隅正八幡宮」と呼ばれていた由緒ある神社です。創建は不詳ですが、8世紀の『続日本紀』にその名が見られるほど古い歴史を持ち、島津氏をはじめとする歴代藩主からも篤い信仰を受けてきました。
主祭神は「天津日高彦火火出見命(あまつひだかひこほほでみのみこと)」、つまり神話に登場する山幸彦で、天孫降臨の物語や霧島山の信仰と深く関わっています。また、相殿神にはその妃「豊玉姫命(とよたまひめのみこと)」も祀られており、夫婦円満や安産、家内安全のご利益があるとされています。
現在の社殿は江戸時代中期、1715年に島津吉貴公によって再建されたもので、朱塗りの美しい社殿や石造の鳥居、古木の並ぶ参道などが落ち着いた雰囲気を醸し出しています。拝殿や本殿などは県の有形文化財にも指定されています。
また、毎年春に行われる「初午祭(はつうまさい)」は、南九州最大級の神事として知られ、鈴かけ馬による行列や地域の伝統芸能が披露され、多くの参拝客で賑わいます。