鉄道の発展と地域の交通を支えた貴重な鉄道建造物

めがね橋は、旧国鉄日田彦山線の筑前岩屋駅~大行司駅にかかる3つのアーチ橋で、その美しいアーチの形状が眼鏡に見えることから通称「めがね橋」と呼ばれています。
これらの橋は、第二次大戦中の鉄不足の影響を受けて無筋コンクリート充腹アーチ橋という特殊な構造で建設されました。鉄筋を使用せず、コンクリートのみで強度を確保する技術が用いられた点が特徴です。

最も美しいと評される栗木野橋梁(金剛野橋)は、全長71.2m、高さ20mを誇り、山里の四季折々の自然に映える橋です。宝珠山橋梁(奈良尾橋)は全長79.2m、高さ20mの規模を持ち、3つの橋の中で最長の構造で、県道52号沿いから直接観賞できます。第二大行司橋梁(松尾橋)は約55mの長さを持つ4連アーチ橋で、最も南(大行司駅寄り)に位置します。

栗木野橋梁と宝珠山橋梁は経済産業省の近代化産業遺産に登録されており、鉄道の発展と地域の交通を支えた貴重な鉄道建造物として保存されています。

また、毎年12月上旬から1月3日までめがね橋のライトアップが行われ、幻想的な風景を楽しめるイベントが開催されます。アクセスも良好で、車で県道52号を利用するか、JR日田彦山線の筑前岩屋駅から徒歩で訪れることが可能です。