日本の伝統と技術の粋を感じる国内最長級の木造橋

八幡流れ橋は、その歴史とユニークな構造で知られる日本最長級の木造橋です。全長356.5メートル、幅3.3メートルに及ぶこの橋は、木津川の清流に架かり、白砂の河原と調和した風景を創出しています。正式名称は府道八幡城陽線上津屋橋といい、通称「流れ橋」として親しまれています。
流れ橋の最大の特徴は、川の水位が上昇し橋板に達すると、橋脚を残して橋板が流れるように設計されている点です。水が引くと、ワイヤーロープでつながれた橋板を手繰り寄せ、再び橋脚に乗せることができる仕組みとなっています。
また、流れ橋はその素朴な姿が時代劇の撮影にもしばしば利用され、歴史的な雰囲気を色濃く残すロケーションとしても人気です。欄干がなく、丸太で組まれた橋脚の上に橋桁を渡すだけのシンプルな造りは、数百年前の橋を彷彿とさせます。
この橋は、日本遺産「日本茶800年の歴史散歩」に「流れ橋と浜茶」として認定されており、日本の歴史と文化を感じることができるスポットとしても注目されています。人道橋であるため、バイクや自転車は押してのみ通行可能ですが、その制限がかえって静寂と安らぎを提供する空間を生み出しています。