美濃商人の暮らしと地域の歴史に触れる

「うだつの上がる町並み」に位置する旧今井家住宅・美濃史料館は、江戸時代後期に建てられた美濃市内で最大級の町家建築です。かつては和紙問屋を営んでいた豪商の屋敷であり、当時の美濃の繁栄と人々の暮らしぶりを今に伝える貴重な文化財として公開されています。
この施設は、「旧今井家住宅」と「美濃史料館」の二つの側面を持ち合わせています。
旧今井家住宅では、広大な敷地に建てられた主屋、土蔵、庭園など、当時の商家の生活空間をじっくりと見学することができます。職住一体の構造や、商家ならではの工夫が凝らされた間取り、当時の調度品などが展示されており、美濃和紙の生産・流通を支えた豪商の暮らしぶりを肌で感じることができます。特に、防火壁である「うだつ」の構造や、当時の商売の様子がうかがえる展示は必見です。
一方、美濃史料館では、美濃市の歴史、文化、産業に関する資料が多角的に展示されています。美濃和紙の歴史や製法、長良川の水運を利用した流通の様子、そして美濃市の発展に寄与した先人たちの功績など、地域の歴史を深く掘り下げて学ぶことができます。写真やパネル、実物資料を通して、美濃の地に根付いた文化や人々の営みを体系的に理解できるでしょう。